4/04/2010

シリコンバレーでの就職活動、何が難しいのか?

今朝も、別の日本人の学生さんと話をした。彼の場合は、USでの就職相談。Stanfordの理系のマスター取得予定で、新卒として就職活動するらしい。1時間ほど、どうやって仕事探しをアメリカでするかをアドバイスした。


日本人だと、MBAにせよ、MSにせよ、「英語が下手」だとなかなかアメリカでの仕事は難しい、ということがまことしやかにささやかれている。正しい。非常に正しいです。僕も今も職場で苦労してますよ。

でも、「難しい」というのは、日本人がアメリカで就職できない、いや「しない」理由ではないと思う。最近転職した自分の経験から、トライすれば、十分にチャンスはある。最大の理由は、「日本人のネットワーキング能力」そして「マインドセット」の問題だと思う。


僕はHBS卒業後、そのままとりあえずシリコンバレーにきて、就職活動を開始した。とりあえず、OPTで働きながらキャリアをつなぎ、同時並行でビザをサポートしてくれる仕事を探し始めた。卒業にあたって、僕には一年先輩でおなじようにIT系でこちらでの就職活動に成功した先輩がいて、彼からいろいろとアドバイスをいただいた。いえ、今でも折にふれアドバイスいただいてます。本当に感謝しております。


で、彼のアドバイスは「とにかくネットワークをひろげなさい。」というもの。アメリカは学校のネットワークがそのまま仕事のネットワークになっている。とにかくいろいろな人にあってアドバイスをもらいながら、シリコンバレーで仕事を探している自分の存在を知ってもらいなさい、というものだった。そこで、僕はハーバードのサンフランシスコOB会に折に触れて顔を出し、いろいろなアドバイスをいただいた。また個人的にも先輩方にアドバイスを伺い、そこでもいろいろと教えていただいた。

ハーバードやスタンフォードといった有名大学はOB会がしっかりしており、卒業生は折に触れてネットワーキングパーティを通して、また個人的にコンタクトして情報交換を行い、お互いにささえあっている。人材雇用に関しても、「~という人が後輩にいて、~ができる」「~というポジションで今人を探している」という情報を常にネットワーク内で交換しており、それがきっかけで面接が始まることもある。

そしてこのネットワークは、開かれたものだ。ハーバードの人はスタンフォードの人につながっているし、スタンフォード卒で今Googleで働いている人は、Facebookに元同僚がいる、という感じ。大事なのは、どこかに入り口を見つけることで、ハーバードでもいい、Googleでもいい、とにかくどこかのコミュニティに入って、そこからネットワークを広げること。一箇所突破口を見つければ、あとは本人次第だ。


僕が思うに、日本人にとって、この「ネットワーク」の重要性を理解することが難しいのだと思う。日本ではまだまだ「終身雇用」的な企業が多く、社外のネットワークの重要性を意識する機会が少ない。大学院等でぽっとこちらにやってきて、下手な英語で積極的にネットワークを広げていくには、それなりの慣れが必要だ。(逆にいえば、自動的に「学生」という免罪符をもらって、いろいろな人に会うことのできるビジネススクールや他の大学院は、日本人にとって最高のトレーニング場になりうる。)

そのネットワークの場所で、日本人にとって難しいのは、「キャリアの見せ方」だ。ネットワーキングする上では、「自分は~~をやってきました」ということが必要。ただし、日本人で大学院でこちらに来た場合、多くは日本企業出身で、なかなかやってきたことを(日本を詳しくは知らないアメリカ人に)わかりやすく、かつAppealingに伝えることが難しい。でも、ここもいくらでも工夫はできる。たとえば日本のマーケットに興味がある会社の人には「自分は日本市場の~を知っている」ということを伝えることができ、日本市場向けの仕事のチャンスを教えてもらえたりする。
(ちなみに、外資系出身者はこの点非常に有利になる。まず、外資系大手は会社名が知られている。さらに重要なのはJob Title。外資系は多くの場合Job Titleが万国共通なので、相手に容易に自分のやってきたことを伝えられる。場合によっては、「日本向け」ではないポジションも紹介される。自分も、前職のキャリアのおかげで、今の職場ではUS, Latin Americaの戦略立案を担当している。)

ここまで書くと、「やっぱり日本人にはネットワーキングは難しいのでは」と思うかもしれない。ええ、その通りです。でも、僕が思うに、最後にものをいうのは熱意だ。「自分がアメリカで働きたい」という思いを伝え、謙虚に自分がやってきたことを話し、アドバイスをお願いすれば、多くの人がアメリカ人も日本人もアドバイスをくれる。僕も、数え切れない人に、信じられないくらい親身にアドバイスをいただき、助けていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。就職活動を通して、僕はこの国の懐の深さを改めて知り、ますますこの国で働きたいと思うようになった。あなたがアメリカで働きたいならば、そこには何がしか、あなた自身のこの国、もしくはその仕事に対する思いがあるはずだ。その思いを率直にぶつければ、それに応えてくれる人は必ずいる。たとえ、10人にアドバイスをお願いして断られたとしても、11人目にチャレンジしてほしいと思う。

この国は、チャレンジする人に厳しいくらい平等にチャンスを与えてくれる。僕も、「こうやれば必ずうまくいく」ということは言えない。でも「この国での就職は、チャレンジするだけの価値がある」ということは言える。もちろん、アメリカで働くか、日本で働くか、どちらを選ぶかは、はっきりいって好みの問題だ。ただ、僕は、アメリカの大学に飛び込み、違う言語で学び、今また違う文化圏で就職活動をしようとする方を尊敬しているし、ぜひがんばってほしいと思う。

1 件のコメント:

TakaImada さんのコメント...

ちなみに、話の中で、1冊だけJob Hunting 101として何かを読むとしたらということで薦めたのがこの本:
http://www.amazon.com/What-Color-Your-Parachute-2010/dp/1580089879/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1270426912&sr=8-1

けっこう目が覚める話が多いです。