7/13/2010

公用語がリーチできる人材の幅を決める

すでに出遅れた感があるけれど、楽天、ファーストリテイリングの英語公用語化について。

けっこう、日本国内では批判の声があがっているらしいが、見方として、従業員からと、マネジメントからの見方があると思う。


まず、従業員の立場からいうと、いやだったら移ればいいだけだと思う。前にも話したことがあるかと思うが、会社と従業員は対等だ。気に食わないのならば関係を解消して、別の会社に移ればいい。(それが会社にとって深刻なダメージになる可能性もあるわけで、楽天やファーストリテイリングのマネジメントはそれを考えた上で決断しているはず。)別に、一国の言語の選択ではない、楽天もファーストリテイリングもどちらも今では大企業だが、あくまで一企業なのだ。それに対して、世論が「こうするべき」というのはおかしい。従業員として賛成できないのならば会社を離れてそれを表明すべきだし、顧客としておかしいと思うならば商品を買わなければいい。いろいろな意見を聞いていると「あなたは10年後の楽天のために、何をするのか」と思ってしまうような、なんの責任も負わずにやいやい言う意見が多すぎる。楽天もファーストリテイリングも、これからの数年を生き延びてさらに成長するために必死で考えてこの手を打っているはずだ。楽天・ファーストリテイリングは企業としてその決断のリスクを背負っている。従業員はそれに対して従業員として意思表明するべきだと思う。


次に、マネジメントから見た場合。僕がマネジメントならば絶対に同じことをする。人的リソースの選択肢が比較にならないくらい広がるからだ。比較の対象として、わかりやすいのが(すでに他のHBS生も書いているが)SAMSUNGだ。たとえば彼らは、わざわざ韓国からHBSにリクルーターを派遣して、世界の市場におけるSAMSUNGの夢を語り、そして他のグローバルトップ企業に引けをとらないオファー内容を提示していた。しっかりとしたサマーインターンシッププログラムも組み、いい人材をHBSをはじめとするMBAプログラムから採ろうと積極的に人材採用に投資していた。実際に、他のHBS生も真剣にSAMSUNGを選択肢の一つとして検討し、優秀なクラスメイトがSAMSUNGに入っている。彼らのプレゼンテーションを見たとき、「これが、SAMSUNGが世界で勝つ理由か」と圧倒されたのを覚えている。同じようなことをしている日本企業は残念ながらひとつもなかった。企業は最後は人だ。世界レベルで優秀な人材を集めようとしている企業に、日本一国からのみ集めた人材で勝負して勝てるかというのは、単純な算数の問題だ。日本一国でローカルにやっていくならば、話は変わってくるかもしれない(それでも、グローバライゼーションが進む世界ではかなりリスクが大きい)が、グローバルで戦っていこうという企業には、英語公用語化というのは、必須のことになると思う。

以前、一度中国の企業に招かれて、中国に伺ってその企業のグローバル戦略を伺う機会があった。会話は当然英語だったのだが、躍進するその中国企業について学びたいと思っていた自分にとって、英語を使ってその場で意思疎通し、マネジメントの視点をダイレクトに学ぶ経験は強烈だった。同じような経験を求めて、世界中の優秀な人材が中国、韓国、インドの伸びる企業で働くことを選択しているのだと思う。楽天、ファーストリテーリングが同じように、世界中から優秀な人材を集める企業になればいいと思う。

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