8/03/2010

その違いは意味のある違いか

海外のビジネススクールに受かると、ときに「日本の企業文化(の独自性)について話せるようにしておいた方がいい」という話を聞くかもしれない。

間違っていない。ビジネススクールにおいて、Internationalは自国の経済や企業文化について他の学生の学びに貢献することが求められる。しかし、もっと大切なことがある。それは、自分の仕事のたな卸しだ。

ビジネススクールにおいて、他の学生から学ぶことが多いのは、各国の違いもさることながら、各企業、各業界の違いである。Goldman Sachsの企業文化、P&Gのマーケティングの考え方、Cisco Systemsのビジョン、McKinseyでの働き方、Toyotaの生産システム、といった、本で間接的にしか学べなかったことを、現場で実際に悪戦苦闘した人間に直接聞ける環境は、ビジネススクールにしかないものだ。2年間、各業界のリーディングカンパニーで働いてきた人間と気の置けない付き合いをすることでそれぞれの業界の「空気」について知り、何かあったときには卒業後もその友人を頼ることができるようになる。

日本から海外のビジネススクールに行った場合、大きく「日本」というバックグラウンドと、「自分のいた業界、企業」のバックグラウンドをもっていくことになる。クラスルームに入ったときに、どちらがより、他の学生の学びに貢献するかというと、僕は後者だと思う。もちろん、両方持ち込むべきなのだが、今のグローバライゼーションが進んだ時代においては、優れた企業文化はグローバルに通用する、もしくは将来通用するようになることが多い。Facebookによるソーシャルネットワークしかり、Toyotaの生産方式しかり。最近の例で言えば、中国の企業が日本や米国に進出し、顧客の支持を得ている。

自分のクラスでのバックグラウンドを生かした発言を振り返ってみても、9割がMicrosoftでの経験や、そこで考えたことについてで、日本の独自性についての発言は1割もなかったと思う。(卒業するときにはいかに自分はMicrosoftに育ててもらったかを実感した。)思うに、ビジネススクールに合格する学生は、それまでの経験を生かして、自国だけではなく、世界を動かす人材になることを求められている。大事なのは、自分の経験や考え方でユニバーサルに通用する部分はどこかを自覚するところにあると思う。

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